ソニーで継承される創業精神を「天才」落合陽一氏の「巨視」から学ぶ

教育

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今回は「天才」落合陽一氏の著書から「仕事」について学んでいきたいと思います。

今回の参考書籍

今回の参考書籍はこちら。

本書の主旨はこうです。

2020年、新型コロナウイルスが世界を覆い尽くしました。

東京にも緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出は自粛、学校も休校となりました。私(注:NHKエンタープライズプロデューサー河瀬大作氏)が担当している番組の制作もほとんどが中止。毎日のように不足の事態が起き、わたしたちは明日のことすらわからない‟新しい日常”を生きることになりました。

この未曾有の事態に対して、テレビに何かできることはないのか、そのときに最初に浮かんだのが、落合さんでした。

どんな番組をつくるか、ディレクターたちとリモートでのブレスト(ブレインストーミング)を重ねるなかで、ひとつのアイデアが生まれました。

「落合陽一の頭脳に、人類の叡智を直結する」

NHKには膨大なアーカイブがある、そこには人類の叡智が詰まっているはずだ。それを落合さんと読み解くことで、混迷を切り抜けるための新しい‟ヒント”を手にできるかもしれない。

こうして2020年4月、落合さんを‟編集長”に迎えた番組「ズームバック×オチアイ」の制作が始まったのです。

出典:ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える p.9

それに対し落合氏もこのように言っています。

100年以上前、ドイツの宰相オットー・ビスマルクが残した、

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

という言葉があります。

自らの経験ばかりではなく、先人たちの経験の集積(歴史)を学ぶことで、より良い判断ができるという意味ですが、じつはこの引用の後が重要で、本当の愚者は何事からも学んでいません。

人類は長きにわたってイテレーション(反復)しながら試行錯誤を続けてきました。その試行錯誤を検証すること、つまり歴史は繰り返してもあまり進化しておらず、変わっていない人類がどういうことをしてきたのかを検証することには意味があります。(中略)

私たちは昔よりはるかに思考、考え方ともに自由になっていると思います。

自由な時代に何をすべきか、どんな失敗を繰り返さないようにしていくか、過去を振り返りながら考えることが大切です。(中略)

では、これから一緒に人類の過去を「巨視」(ズームバック)していきましょう!

出典:ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える p.2-6

本書は「天才」落合陽一氏と「日本最古の放送局」NHKのコラボ書籍です。

14章にわたって構成されていますが、

今回は第11章 新時代の「会社」より

「ソニーで継承される創業精神」取り上げます。

以前も落合陽一氏の書籍を記事にしました。

切り口にサプライズがあり、読んでいて楽しいです。

是非ご購入いただき、読んでみてくださいね!

ソニーで継承される創業精神

まずは本書より本章の核心に触れていきます。

2020年、ゲームやアニメなどコンテンツ分野の売上が好調だったソニーは、史上はじめて純利益が1兆円を超えました。

しかし、ソニーはこれまでずっと順風満帆だったわけではありません。2000年以降は、主力の家電が外国メーカーに押されて売上が伸びず、株価も低迷を続けます。

どうやってそうした危機を乗り越え、世界で最も「危機に強い会社」となることができたのでしょうか。ソニーを復活させた力の源は、ソニー設立とともに生まれたひとつの文書にあります。

それは、1946年1月、ソニー設立に先立ち、創業者のひとりでエンジニアでもあった井深大(1908~1997)が起草した「設立趣意書」です。70年以上にわたり社内で大切に伝えられてきたこの趣意書には、今日に続くソニーの基本哲学がはっきりと示されています。

趣意書の「会社設立の目的」には、こんな一文があります。

「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

出典:ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える p.289-290

これに対して、落合氏はこのように「巨視(ズームバック)」しています。

「自由闊達にして愉快なる理想工場」は有名なフレーズです。終戦から半年足らず、その日食べるものにも苦労するような時代にあって、会社の未来を見据え、そのあるべき姿をこれほど明確な言葉で表現していることに驚きを感じます。

とくに、「自由闊達にして愉快なる」というところがポイントです。

「自由闊達」は、自由と責任のバランスを考えて、好きなことをやって楽しく生きることと私はとらえます。そこに「愉快」が加わるのがポイントで、「自由闊達な理想工場」とは違い、「愉快」だから‟変なもの”が出てくる。優秀な人たちが、戦争が終わって何をするか考えた結果、こうした理念ができたのは興味深いところです。

出典:ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える p.290

戦争が終わった、自由になった、じゃあ好きなものを作ろう。

それだけではなく「愉快」が加わっているのがポイントで興味深いと落合氏は言います。

確かに「愉快」という二文字が理念にあるだけで、「遊びがある」というか「許される」というか

そんな雰囲気を醸し出すことができますね。

こんなに少ない文言で「会社設立の目的」の緊張感を和らげることができる言葉はそう多くないでしょう。

なぜこの章を取り上げたか?

なぜ14章もある本書のなかでこれを取り上げたのか?

理由はこの「巨視(ズームバック)」に心から賛同するからです。

皆様仕事は楽しいですか?

実はこの問いを以前にもしています。

時間が許すときにこの記事をご参照ください。

生まれてから早ければ3歳くらいから幼稚園という学校に行き、

中学生まで「義務教育」を受け、

高校生、大学生を経て社会人になる。

長い学生生活がインプットの時間だとすると、

社会人はアウトプットの時間だと思います。

やっと自分の実力が試せる!という時は本来楽しい時間のはずなのに

本当に楽しめていますか?

と思うのです。

私の想いは上の記事に書いていますので割愛しますが、

大切なのはその記事でも取り上げているようにこの名言に集約されます。

人生最大の幸福はその職業の道楽化にある。

本多静六

落合氏が「巨視(ズームバック)」したのは

井深大氏の「自由闊達にして愉快なる理想工場」

私が記事で名言として取り上げたのは

本多静六氏の「職業の道楽化」

共通するのは仕事に対して「面白い」「楽しい」と思えるかだと思います。

今から77年以上前に井深大氏が「自由闊達にして愉快なる」と会社設立の目的を掲げていますが、

現代において落合氏が取り上げるのは、まだ多くの会社でそれが達成されていないからでしょう。

私たち親世代が子どもや会社の同僚、レストランの店員さんにこの気持ちをもって接することによって少しでも愉快(遊びがある/許される)な世界になったら良いですね。

ここまでご覧いただきありがとうございました!

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