グッデイ!ディズニーパパの教育系ブログへようこそ。
その世界で一流の才能を発揮している人たちの話を聞きたいと思ったことはありませんか?
日常生活を送っていると、どうしても自分自身の範囲内の思考になってきてしまいます。
そんななか、刺激的な本を見つけました。
日本が誇る天才同士の対談を収めたこちらの本を深掘りしていきます。
今回の参考書籍
今回の参考書籍はこちら。
「7冠保持の最強棋士」藤井聡太
「ノーベル賞受賞」山中伸弥
日本が誇る天才同士の対談です。
親子ほど年が離れた二人ですが、どんな話が聞けるのでしょうか。
楽しみですね!
本書のインデックスはこちら。
第1章 限界を自分で決めない
第2章 今できるベストを尽くす
第3章 自らの可能性を広げる
第4章 負けから学ぶ
第5章 AIが常識というブレーキをはずす
第6章 強くならなければ見えない景色
インデックスを見るだけでもワクワクします。
もちろん、全てをここでご紹介出来ないので続きは是非上記リンクから本書をご購入下さい!
自分自身の成長はもちろん、子育てにも大きなヒントになるはずです。
それでは中身に入っていきましょう。
雨に文句を言っても仕方ない
山中 僕が尊敬する作家の村上春樹さんんが、「村上RADIO」でいろいろメッセージを話された中で「雨に文句を言っても仕方ない」とおっしゃっていたのが印象的でした。「いくら文句を言っても雨はやまない」と。そうだと思うんですね。この新型コロナウイルスは、あの国のせいだとかいろいろ言う人がいますが、誰のせいか文句を言っても、ウイルスはどこにも行かない。もうなるようにしかならないというか、ジタバタしても仕方ないので、今できるベストを尽くすしかないですよね。(中略)じゃあ何ができるかというと、前向きに行くしかないというふうに僕は考えています。できないことをやろうと思ってもできないので、こういう状況でできることがないかな、ということを考えて過ごしています。
藤井 自分も含めてですけど、状況をあまり悲観し過ぎずに、長期的な視点をもつというのが、必要なのかなと感じています。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.22-23
困難に立ち向かう時の思考を話しています。
対談時は新型コロナウイルスが猛威を振るっている最中だったので、新型コロナウイルスに関する話が多いです。
これほどの成功者なので多くのチャレンジをして失敗して今に至ると思いますが、
二人とも「前向きに」「悲観し過ぎず」と言っているのが印象的でした。
ありきたりではありますが、この二人が言うと違いますね。
成功するためには絶対に必要な思考だと感じました。
村上春樹氏の言葉「雨に文句を言っても仕方ない」を引用し、困難に直面しても「こういう状況でできることがないかな」と考える。
他人任せにせず、自らできることを探し動く。
勉強になります。
集中力の源は体力にある
山中 藤井さん、スポーツは何かやられるんですか?
藤井 いや、自分は本当にまったくやってこなくて、少し運動しなくてはと思って、最近ちょっと筋トレを始めたところです。(中略)
山中 泳ぎは得意ですか?
藤井 いや、まったく。(中略)
山中 僕は球技が得意じゃなくて、走るぐらいしかできない。一応、柔道は中学から大学の前半の八年間、ラグビーは大学の三年間やっていたんだけど、ラグビーをやりながら、ほとんどボールには触らない(笑)、そういうラグビーでしたから、「ラグビー部格闘技班」とか言われていました。でも走るのは好きですね。今日なんて朝の四時半から走り、昼も走り、二部練習ですよ。(中略)
藤井 将棋でそうしたフィジカルな面がどのぐらい対局に影響するかは、まだ自分もわからないですけど、やっぱりそういう体力、持久力といったところで差がつくというのも、あり得るので。
山中 持久戦ですよね、ある意味。違う意味での持久戦。
藤井 ただ、長い持ち時間の対局で、ずっと集中力を保つのがけっこう難しくて、自分の中でリズムをつけて重要な局面に集中力のピークを持ってくることが必要になると思っています。将棋は終盤の指し手が勝敗に直結するので、最後に集中して深く読めるように、と思っています。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.40-42
体力に関する話題です。
ここは二人の天才でもはっきり分かれましたね。
藤井氏は体力づくりは特にしていないものの、重要な局面にピークを持っていき、集中して深く読めるようにしている。
一方山中氏は日ごろから体力づくりをしている。
結論、「絶対に勝つ!」「勝負!」という時に最大出力が出せれば良いのでしょうが、あらゆる局面を読み切って「ここだ!」という時に最大出力が出せるのが藤井氏、あらゆる場面を想定して常に準備しているのが山中氏、という感じがしました。
藤井氏が全くスポーツをやらないことにクスっとしましたが、その集中力のコントロールは我々が想像できない領域なんでしょうね。
プレゼン力でわかりやすい情報発信を
山中 研究者が成功するためには良い実験をするだけではなく、いかにその実験データや研究成果をきちんと発信するかというプレゼンテーションの力が必要なんです。中身で勝負するだけじゃ世界との競争に勝てませんからね。「日本人はプレゼン力が弱い」とよく言われるでしょう。僕は自分でも「発表がヘタやなぁ」と思っていたんです。アメリカに行くと、やっぱりみんなプレゼンがうまい。欧米の研究機関ではプレゼン力やディベート力を非常に重視します。自分の考えを他人にきちんと示すことが大切な技術だと考えられているんですね。(中略)
藤井 伝え方というのは大切だと思います。ここ数年で将棋のイベントは、すごく増えてきたと思うのですけど、やはり将棋にそれほど興味がない方にもそれらが伝わっているという感じには、まだなっていないかなと思います。たとえば囲碁や他のゲームとコラボしたイベントや、何かもっと多くの方に興味を持っていただけるような取り組みを考え、それらの情報を上手く多くの方に発信していければと感じています。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.49-53
「情報発信」について、お二人とも課題感を持っているようです。
山中氏は人から評価されてナンボの世界で戦っているので特にそう思っているのでしょう。
ノーベル賞はその最たるものですね。
「中身で勝負するだけじゃ世界との競争に勝てない」
これは隠れた名言だと思います。
どんなに良いものでも、知られなかったら無いものと一緒です。
きちんと評価され、使ってもらうことによって初めて存在価値がある。
そのための情報発信ですね。
私も常々、情報発信の難しさを感じています。
私のブログを日本中に届けたいと思っていますが、難しい。
私も試行錯誤しながら一生懸命ブログを書き上げています。
誰かに「幸せになれるアイディア」を届けるために。
異分野の知に触れる
山中 囲碁と将棋、似ているけど違うジャンルですよね。僕たちは動物の研究をしていて、一方では植物の研究をしておられる方もいます。医学部にいる時はまったく接点がなかったんですけども、京大に来る前に一時、奈良先端大(奈良先端科学技術大学院大学)というところで研究していたことがあったんです。そこは動物だけじゃなくて、植物とか大腸菌とかの研究者もおられて、しかも同じビルの中だったので、しょっちゅう交流があったんですね。
ちょうど僕たちがiPS細胞を作ろうとし始めたところで、自分たちで「これは難しい。すごく難しい。こんなの絶対できないくらい難しいことをやっている」と勝手に考えてやっていたんです。そこで今まで話したことのない植物の先生と話していた時、当時はiPS細胞という名前もないから「万能細胞を作りたいんですけど、なかなか難しいです」と言ったら、その先生が「いや、山中さん、植物の場合、体じゅう万能細胞だらけだよ」と言われて「えーっ!」って(笑)。(中略)
その話を聞いた時に「難しい。もうできない」と自分で自分に勝手にかけていたブレーキがすーっとはずれたような気がしました。「あっ、そうだ。植物がそうなんだったら、動物もできるんじゃないかな」と。それで実際、そこから数年でiPS細胞ができたんです。奈良に行ってなかったら、ブレーキをかけたままだったかもしれない。(中略)
藤井 将棋は盤上で閉じた世界なので、技術面で直接生きるということは、あまりないかもしれないですけど。ただ、いろいろな世界のトップの方とお話しさせていただいて、みなさんが取り組む姿勢といったところで勉強になるというか、すごく刺激を受ける部分が大きいと思います。最近ですと、囲碁の芝野虎丸さんとお話しさせていただく機会がありました。本当にトップで活躍されている方で、将棋と共通点も多いゲームなので、囲碁に対する姿勢、実際の取り組み方などは、自分にとってもすごく見習うところは多いのかな、というふうに思いました。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.72-74
何かを成し遂げるにはその分野に没頭する必要があります。
しかし埋没してしまうこともあります。
そういう時に自らの意思でそこから抜け出せるか、が重要です。
山中氏は「難しい」と埋没しかけていましたが、今まで話したこともない植物の先生に救われました。
ここで重要なのがやはり没頭しているかどうかだと思います。
植物の先生の話を自分のiPS細胞研究に昇華させたのですから。
ずっとずっとそのことを考えている。
だから異分野の話を自分の領域で活かせる。
その分野で成功するにはまず没頭すること、そして異分野に触れることができる環境が大切なのだと思いました。
挑戦こそが自分の成長につながる
藤井 山中先生の本を拝見して、iPS細胞について「深く知り過ぎなかったから、逆に常識外の方法でiPS細胞を発見できた」ということが書かれていて、とても興味深く思いました。そうしたブレイクスルーは、これまでの常識にかからないところから生まれてくる、ということなんでしょうか?
山中 (中略)iPS細胞に関して言えば、よく知っている人はやっぱり失敗したくないから手を出さなかった。成果を出さないと研究費ももらえませんからね。それから、僕はもともと医者だったんですよ。だから誰も手を出さない研究に挑戦して、もしだめだったらまた医者に戻るという、ある意味逃げ道があった。それも、そういうリスクが高い研究をする背景にはあったと思いますね。だから藤井さん、今ってすごくいい時期ですよね。まだ十代だから、負けてもまた次があるというので、すごく果敢な戦略ができる。これからの五年間は何にも代えられない宝物のような時間だと思いますよ。
藤井 はい。自分でも、ここ数年がいちばん大事な時期かなと思っています。
山中 (中略)若い時は何をやってもいいと思います。何をやったらいいという正解はない。でも何もしないということだけはやめてほしい。どんなことでも夢中になれることがあったら、それがどんな結果になっても、必ず自分の成長につながっていきますから。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.82-85
いろんなことに挑戦、というのは良く聞きますしありきたりな言葉です。
しかし山中氏が言うと重みが違います。
そしてここで最も刺さったのは、
何もしないということだけはやめてほしい。
と、はっきり言っていることです。
ノーベル賞受賞者からの強烈なメッセージです。
常に挑戦者でありたいですね。
負けたところからどれだけ学べるか
山中 この写真の対局後は、どうして負けたかを研究して振り返るわけですか?
藤井 そうです。とくに負けた将棋だと、改善すべき点をフィードバックして、次につなげていくことが大事だと思います。「感想戦は敗者のためにある」という好きな言葉があって、感想戦の意義をよく表した言葉だと思います。もともと感想戦という行為そのものが他の勝負の世界では珍しいんじゃないかなという気がします。
山中 やっぱり、負けたところからどれだけ学べるかにかかってますよね。僕たち研究者も、思い通りにいかなかった実験、予想外の結果になった実験をどれだけ大切にできるか。たとえ予想と違っても、結果をどれだけちゃんと記録して、ちゃんと解析もするか。そこから本当に思いがけないことにつながりますから。でも、それがけっこうできないんですよ。予想通りにいったらものすごく喜んで、一生懸命記録してすべて報告してくるんですけど、予想通りにいかなかったらもう適当で、全然記録に残す気力がない。わかっていることなんですけど、もったいないですよね。負けたら悔しいから、できるだけ忘れたいと思うのかもしれない。でもそこで記録をとってどれだけ学べるかが大事です。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.91-93
その分野のトップであるお二人が「失敗」について語っています。
この成功の裏には、我々が想像もできないほど失敗をしてきているはずです。
本書では藤井氏が対局に敗れ、突っ伏している写真が掲載されています。
いつもは飄々としている藤井氏がここまで感情を露わにしていたことがあったなんて初めて知りました。
成功者の失敗談は本当に勉強になります。
そしてこのお二人が口を揃えて言っているのは、
「負けたことを振り返り学ぶ」ということです。
大切にしたい言葉ですね。
勝つまでひたすら挑む
山中 藤井さんは負けず嫌いですか?
藤井 いやぁ(笑)。自分は負けたら勝つまで続けるというのが、けっこう昔からの癖だったので。将棋以外でもトランプや花札とかどんなゲームでも、負けたら必ず「もう一回」と勝つまでひたすら。(中略)子どものころは、ネット将棋で負けると、悔しくてものを投げて親に叱られたこともありました。
藤井 先生は負けん気は?
山中 いや、僕はじつはそうでもないんですね。戦う相手が他人じゃなくて、内に向かって自分に負けたくない。他の人と競うのはもういいか、と。だから大成しない。将棋か囲碁をやっていたら、絶対プロにはなれないと思いますよ。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.22-23
負けん気に関しては意見が分かれました。
藤井氏は負けず嫌い。
山中氏はそうでもない。
負けるのは誰も好きではないですよね。
私自身も負けず嫌いです。
しかも昔から「宇宙一の負けず嫌い」と思っていました。
でも山中氏と同様、内に向かって自分に負けたくないタイプなのかもしれません。
以前から、
「負け、と思わなかったら負けじゃない。」
「そこで満足したら終わり。」
などトップアスリートのような思考を持っていました。笑
このお二人の話からわかることは「負けて諦めなかったら勝ち」だと思います。
勝つまで続ける藤井氏。
自分に負けたくない山中氏。
交わるところは「諦めない。歩みを止めない。」ということと思いました。
ビジョンを見失わないこと
山中 僕は留学中に恩師から「VW」という言葉を教わったんです。つまり「ビジョン(Vision)」と「ワークハード(Work Hard)」。明確なビジョンを持ち、それに向かって懸命に努力することが研究者としても人間としても成功する秘訣だということです。僕らは一生懸命にやっていると、つい最初のビジョンを見失ってしまうんですね。ふと気がついたら、何のためにその努力をしているのかわからなくなっている。ビジョンがなければ、その努力も無駄に終わってしまう。藤井さんは、何か飛躍のきっかけになった大きな出来事とか自分で大切にしている言葉なんてありますか?
藤井 自分の場合は何か大きな飛躍のきっかけがあったというよりも、自分の「強くなりたい」という気持ちを周りの方たちが常にサポートしてくれたというのが、成長できたいちばん大きな要因だったと思っています。ただ、何か言葉を一つ挙げるとすると、四段に昇段した時に知人の方からいただいた「関防印」(扁額や書の右肩に押す印)を、色紙に揮毫する時に押しているんですが、そこには「無極」と二文字が刻まれています。どこまでいっても極まることがない、果てがない、頂点がないという意味で、自分としてはどこまでも成長したい、自分で限界を決めないと思って大切にしています。
山中 今の藤井さんの活躍にピッタリの言葉ですね。これからのビジョンはありますか?
藤井 やっぱり数字とか記録よりも「自分自身として、より強くなりたい」という気持ちが強いです。強くならなければ見えない景色は確実にあると思うので、そうした景色を見るところまで行きたい、と。(中略)
山中 僕の場合は「父のようにその時の医学では治せない患者さんがたくさんいる。そういう人たちを治すために研究者になった」というのがビジョンです。毎日忙しいと、つい今でも「なぜ自分が研究者になったか」という単純明快なことを忘れてしまいがちなんです。そして今はiPS細胞という新しい技術をいかに患者さんに届けるかという非常にクリアなビジョンがあります。それはみんなも理解しやすいんですよね。そういう意味では楽なんですが、ただ実現するまでに、長い時間がかかるでしょ。その間、人間相手ですから、いろいろな出来事が起こって、なかなか集中できないこともあるんです。でもそこでビジョンを忘れないようにして、そのビジョンのために今どういう行動をすべきかという判断基準をいつも忘れないようにしています。
出典:挑戦 常識のブレーキをはずせ p.183-186
山中氏が大切にしている言葉は「VW(ビジョンとハードワーク)」
藤井氏が大切にしている言葉は「無極」
素敵ですね。
特に藤井氏の
「強くならなければ見えない景色は確実にあると思うので、そうした景色を見るところまで行きたい」
という言葉には心打たれました。
強者だからこそ言える言葉です。
ただただ強くなりたい。
周りのためにとかではなく、自分のためにとかではない。
無極。
その極限のストイックさに我々は心を奪われるのでしょう。
今回のまとめ
日本が誇る二人の天才、藤井氏と山中氏の対談をまとめた本
「挑戦 常識のブレーキをはずせ」
を深掘りしてきましたがいかがでしたでしょうか。
その道を極めた(きっとこう言うと怒られそうですが)、お二人の対談は多くの学びがありました。
そのなかでも藤井氏はスポーツを全然していなかったり、山中氏は「ジャマナカ」と言われた過去があったり、意外だなぁと思うこともたくさんありました。
私自身、この本で最も心打たれた場面は
何もしないということだけはやめてほしい
と、山中氏が語っている場面ですね。
いろんなことに挑戦しよう!と言われるよりもよっぽど強烈に突き刺さりました。
私自身様々なことにチャレンジしています。
このブログもそうですし、献血や文化財保護などの社会貢献もそうです。
もちろん子育てや仕事にも全力投球です。
でもまだ足りないかな。
もっともっといろんなことに挑戦していこう、
そんな気持ちにさせてくれる良書でした。
一部しかご紹介出来ていないので、是非上記リンクからお買い求めください。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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