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先日痛ましい事件がありました。

事件の詳細が明るみになるにつれ、いくつものミスが重なって起こった事件と報道されています。
私たち大人のせいで子どもたちが犠牲になるのは悲しいです。
私たちは大人です。失敗から学び、それを生かさなければなりません。
今回の参考図書
こちらを参考に「失敗学」について掘り下げていきたいと思います。
著者は東京大学卒。東京大学名誉教授。専門は失敗学。2011年福島原発事故の政府事故調委員長。
ということで失敗学の第一人者の著書です。
かなりメカニックな専門的な部分まで紹介されているパートもありますが、
今回は「失敗を学び、次に生かす」をテーマにして
深掘りする部分は深掘りし、テーマ外の部分はライトにお伝えしたいと思います。
それでは早速いってみましょう。
失敗を知る その基礎知識

失敗はしたくないね!
失敗したことを知られたら格好悪いし。
仕事出来ないって思われたくないし。
失敗したら出来れば隠したいし、知られたくないですね。
だから失敗したらなるべく忘れるようにしています!
そうですね。
気持ちはわかります。
私たちを取り巻く失敗の捉え方について、著者はこう言っています。
なぜ、こんなに致命的な失敗が続くのか
失敗が正しく学ばれ、生かされていない。
当たり前のことを言っているように思うでしょう。しかし、一人ひとり、そして組織として実際にそれをできていないのが、いまの日本の大きな問題点だと、私は考えています。
「明治維新以来のもの」とも言われる大転換期にあるいまの日本の社会で、「うまくいく方法を学ぶ」だけの従来型ではうまくいかないということが、ビジネスのやり方や政治のあり方などさまざまなところで起きている現実があります。
従来型のシナリオ通りにいかないということは、想定していない、言い換えれば考えもしなかった問題が発生する危険性があるということです。
うまくいく方法を学ぶという思考をしているかぎりは、こうした事態をなかなか予測できないことになります。結果として、それが近年になり、私たちの目の前に企業や行政の事故や不祥事となって現れてきているのだと思います。
失敗学 p.14
うまくいく方法だけでは、いずれか想定しないことが起きたら失敗する、ということですね。
失敗があったらそこから逃げずに、直視し、どうしたらより良くなるか考える必要がある。
うまくいく方法を学ぶ、そして失敗から学ぶ、両面から学ぶことが重要と説いています。
失敗の情報は、うまくいく情報と同じくらい大切、ということですね。
失敗は恥ずかしがる必要はありません。
むしろ明るみに出して分析し、必ず生かす必要があります。
失敗は成長する、そして
人は必ず失敗をします。これが失敗学の基本にあります。
失敗の「培地」は失敗を培養する、個人あるいは組織の特性です。ここから失敗の「核」が発生します。失敗の培地からは常に無数の失敗の種が、もろみの泡のように発生しています。そしてそれがある程度のエネルギーを蓄えると、培地から離れて浮き上がり、成長して「萌芽」となります。
たとえば、机の上を常に散らかすという「培地」をもつ設計者は、同様にうっかりと寸法を写し間違えるという失敗の核を発生させます。さらに、それに気がつかないと失敗は萌芽に成長して、その寸法間違いの図面は加工現場に回されていきます。
失敗学 p.24
例えが独特ですが、要は失敗の下地は誰にでもあり、それを放っておくと大きな失敗になるということですね。
この例えでいえば机の上を常に散らかす設計者が出てきますが、
机の上を散らかすだけでは失敗ではありません。
しかしそれは失敗の下地になる、ということですね。
失敗には下地があり、そこで育った失敗が失敗として明るみになるということです。
人は必ず失敗する。
そこには失敗の下地が必ずあり、そこで失敗は成長する、ということを覚えておきましょう。
失敗は、確率現象である
失敗がもつ階層性や成長性は、労働災害の世界にも存在し、「ハインリッヒの法則」として知られています。労働災害発生の確率を経験則から導き出した法則です。
これは1件の重大災害の裏には29件のかすり傷程度の軽災害があり、さらにその裏にはケガまでには至らなくても300件の「ヒヤリとした体験」が存在しているという、潜在的な問題にまで目を向けて災害顕在化の確率を数字として表した考え方です。
この1:29:300の法則は、失敗が起きる確率そのものとして考えられます。失敗がある一定の法則で起こる確率現象で、成功しているように見えるときでも、その裏で失敗の準備が着々と進んでいるという現実があることを伝えているのです。(中略)
ヒヤリ体験を大失敗の予兆と考え、その要因を見つけ出して適切な対策をとれば、致命傷に至らずに済みます。大失敗は一般に、いくつもの失敗要因が連鎖的に重なって起きます。この連鎖を断ち切れば大失敗は防げます。それには、ヒヤリ体験に正面から向き合うことが欠かせないということです。
失敗学 p.26
この「ハインリッヒの法則」は前述の静岡バス置き去り死事件でも盛んに報道されていましたね。
大事なことなのでもう1回記します。
1件の重大災害の裏には29件のかすり傷程度の軽災害があり、さらにその裏にはケガまでには至らなくても300件の「ヒヤリとした体験」が存在している
事件を起こした幼稚園では日常的にミスが発生していた、との報道がありました。
そして事件当日は
〈1〉乗降車時の人数確認
〈2〉複数人での車内点検
〈3〉最終的な出欠情報の確認
〈4〉登園するはずの園児がいない場合の保護者への連絡
全てを怠った「四重のミス」があったと記者会見で園側が説明し、謝罪しました。
四重のミスのうち、一つでも手順を守れていたら命を守ることが出来たと思うと本当に悔しいですね。
しかもそれほど難しいことではありません。
一人のミスではなく、チームでのミスというのは明白です。
日常的にミスを指摘し合わない、ミスを見過ごしていたことが伺えます。
小さなミスでもきちんと振り返り、原因究明をすれば大きな事故にはなりません。
自分で振り返れなくても、他者が勇気をもって伝えてくれたミスを「恥ずかしい」とか「うるさいなー」とかで終わらせず、
きちんと振り返り、原因究明をして、二度と繰り返さないようにすればこのような大事件は防げるはずです。

そうかー、ミスから逃げていたら結局もっと大きなミスをするんだね。
これは「ハインリッヒの法則」からも明らかだね。
ミスをしたら逃げない。
ちゃんと原因究明をする。
そして二度と繰り返さない。
ミスから逃げない、きちんとした大人になります!!
はい、ミスから逃げない大人になりましょう!
ここまではミスをした当事者の話にフォーカスしてきました。
次からはミスを伝える、という話に移ります。
失敗情報が伝達されるとき
前章では「人は必ず失敗をする。だからそれにきちんと向き合い逃げない。」
ということを学んできました。
この章ではその失敗を伝達することを学んでいきます。
失敗情報をどう伝えるか
失敗情報を伝えるのには、意外でしょうが「客観的」な情報・分析は実際に役に立つ情報となりません。(中略)
失敗に学び、そこから新しいなにかを創造しようと考えたとき、知りたいのは、責任の所在より失敗した当事者がどんなことを考え、どんな気持ちでいたかという、当事者から見た主観的な情報です。
これは、失敗情報を伝える際のたいへん重要なポイントです。
失敗学 p.56
確かにそうですね。
前述の静岡バス置き去り死事件でも「四重のミス」と言っても客観的過ぎて、「何でそんなことも出来なかったんだろう」と思ってしまいますよね。
客観的な情報だけでは、内容が薄まり過ぎていてきちんと伝わらない可能性があります。
重要なのは当事者から見た主観的な情報です。
ここは恥ずかしがらず、逃げずに、きちんと伝えましょう。
失敗は「知識化」しなければ伝わらない
自分や他人の失敗情報を伝えるには、まず第一人称で語られる失敗の「事象」から「経過」「原因」「対処」「総括」までを脈絡をつけて記述することが必要です。(中略)
失敗は結果として現れます。起こるに至った脈絡、経過は見えていません。しかし、失敗を生かして繰り返さないようにするには、必ず結果に至るまでの脈絡を自分で把握する必要があります。脈絡を知らないと、本当に失敗を知ったことにはならないのです。ですから、失敗を伝えるには、事象から総括までを正しい脈絡をつけて記述することが欠かせません。
さらに、失敗情報を正確に伝えるには「知識化」することが不可欠です。知識化とは、起こってしまった失敗を自分や他人が将来使える知識としてまとめることです。
失敗学 p.58
失敗した、という事象だけではなく、なぜ失敗したのかを細かく、脈絡を付けて残そうということですね。
ここまで細かくする必要があるかどうかは、その失敗の内容にもよると思いますが、
きちんと失敗と向き合う、どうして失敗したのか、どうすれば良かったか、などは失敗した都度考えられると良いですね。

今までは失敗したら何かのせいにしていました。
忘れ物をしたら「忙しかったから忘れた」
ママにやっておいてと言われた洗濯物の取り込みを忘れた時も
「朝言われたことなんて忘れたよ、夕方にLINEしてくれれば良かったのに!」
って逆ギレしてしまったこともありました。
これからは失敗から逃げずに自分事化して脈絡をつけて分析して残したいと思います。
そうそう、自分が失敗したら恥ずかしいから他人のせいにしたくなりますよね。
でもそうしていたらいつまで経っても成長しない。
むしろ、失敗の可能性は広がるばかり(ハインリッヒの法則)。
きちんと失敗と向き合い、自分事化して主観的な情報を残していきましょう。
その際にただ失敗したことを羅列するのではなく、脈絡をつけて残しましょう。
そうすればきっと大切な人が救われると思います。
失敗を失敗のまま終わらせない。
誰かを救うのはあなたの失敗かもしれません。
失敗が創造を生む
失敗の基礎知識を知り、その失敗情報の伝達方法を知ることが出来ました。
ここからは失敗情報を生かして創造していこう、というコマです。
失敗を糧に創造を行う力を持っている人と、失敗と正面から向き合わずに新たなものを創造するのが苦手という人の差は、ここからの姿勢の違いにあるとも言えます。
創造のプロセスの段階として、いいものを創造するうえで必要になるのが、いったん完成した始点から終点までの道筋を見直しながらよりスムーズな道筋に修正していく「ブラッシュアップ」という作業です。ここでは無理や無駄を排し、あるいは足りないものを補うことが必要になり、何度も検討して脈絡をつけていきます。
こうしたブラッシュアップに不可欠なのが「仮想演習」です。仮想演習は、想定されるさまざまな状態を考えてシミュレーションを行っていくもの。新商品の開発であれば、この段階で「どんな価格なら売れるのか」「デザインはこれでいいのか」「もし売れなかったらデザインをどう変えるのか」「状況が変わったら、どのように対応するのか」といった様々な問題を想定しながら創造したものに検討を加えていきます。つまり、「こうなったら、どうなる」という作業を繰り返し、創造したものに磨きをかけていくことです。この仮想演習が不十分だと、新商品であれば、世に出たとき泣きをみることになるでしょう。
失敗学 p.108
表現が独特なのでいまいち伝わりにくいですが、
私はこのコマを「仮説を立てることが重要」と捉えました。
私はチャレンジをする際に、良くこの話を部下や妻にします。
まずはやってみよう!も大事だけど、きちんと仮説を立てようと話します。
例えばダイエットをしたい、とします。
目標は現在の体重より5㎏減らすこと。
その時に皆様だったらどうしますか?
ジムに入る!
毎朝ランニングをする!
糖質制限をする!
様々なチャレンジがあるでしょう。
しかし自分という人間は自分自身が一番知っています。
自分はケチなのでジムに入ったら元を取ろうと必死になってトレーニングするだろうけど、
他が疎かにならないか心配。
自分は早起きが出来ないからランニングの習慣は難しいだろうな。
糖質制限なら出来そう!
食事制限にプラスして運動習慣をつけなきゃいけないから週3日のウォーキングとスクワットを取り入れよう。
これだったらお金を使わなくても済みそう。
運動習慣が出来たらジムに入ろうかな。
これが仮説です。
今までの失敗をもとに自分だったら、こうしたら体重5㎏減らせるだろうという仮説を作るのです。
もちろん仮説なのでうまくいかないこともあります。
糖質制限しようと思ったけど、やってみたら思ったよりも飲み会が多くて難しい、
ということがわかったら食べたものをすべて記録して、飲み会の日以外は質素な食べ物にしよう
という風に変えればよいのです。
何の考えもなく「やってみよう!」は時間の無駄です。
失敗と向き合い、きちんと記録しているからこそ仮説を立てられるのです。
仮説を立ててうまくいかなかったら、別の方法を試せば良いのです。
失敗と向き合う
前項では失敗情報を生かして創造していこう、ということを学びました。
創造するのは難しいですよね。
そんなとき「他の誰かがやっているから大丈夫」というバイアスがかかっていませんか?
自分で考え行動する
なにか行動を起こすときに自分であれこれ考えながら進もうとすると、いろいろと試行錯誤をしなければならずに時間がかかるものです。それでも目の前にある危険に気づくことはできるので、最終的に成功する確率は高まるはずです。
一方、まわりの人が進む道を歩くことは、独力で進むよりずっと目的地に到着する時間も圧倒的に短くなります。しかし、誰かが示している道をなにひとつ疑問に感じることなく進んでいては、目の前に迫っている危険に気づくはずもありません。
本人は危険を避けて最も安全な道を慎重に歩いているつもりが、自分でも気がつかないうちに最も危険な道を歩いていることもあるわけです。いざ、危険に直面したときに受けるショックやダメージは、計りしれないものがあるでしょう。
これは状況の変化の激しい時代に、個人や組織がいままでの成功に学ぶ生き方を選択したときの落とし穴なのです。こういう事態を避けるには、「世の中には安全で楽な道が必ずあるはず、そこを進めば大丈夫」と思っている考え方をあらためるしかありません。
いまの時代に、「絶対安全な道など存在しないもの」です。安全な道だと思っていたものがある日突然、危険な道になることもあるということをもっと強く認識する必要があります。そんな時代に、人がしなければならないのは、失敗に学び、そして自分で考えて行動すること、それしかありません。
失敗学 p.132
完全に同意です。
自分の人生、他人に委ねて良いはずがありません。
以前、友人の車に乗せてもらうことがありました。
その友人はあまり車の運転に慣れていないようでした。
それでも一般道で時速70キロで走っていたので、
「70キロも出てるよ」
と忠告したところ、
「いや、前の車もスピード出しているから大丈夫かと思って」
との回答。
意味がわかりません。
前の車が70キロで走っているからと言って、70キロで走らなければならない理由にはなりません。
そして法令違反です。
私のアドバイスよりも前の車のほうが信頼があったのでしょうか。
本来であれば「あっ、気づかなったごめん。久しぶりの運転だからつい周りに流されちゃって」
とか言うならわかるのですが。
失敗を失敗として理解せずに、周りのせいにする典型です。
でもそういう人って結構いますよね。
「周りがやっているから」
というのは行動する理由にはなりません。
自分で考えて行動するようにしたいですね。
自分で考えて行動して失敗しても自分のせいに出来ます。
他人に委ねて失敗してもきっと他人のせいにするでしょう。
それでは成功しませんね。
またきっと他の他人に委ねて失敗するでしょう。
ハインリッヒの法則から、そういう人は必ず小さな失敗を見過ごし、大きな重大事故を引き起こします。
静岡バス置き去り死事件でも、理事長による他人事のような記者会見が炎上していました。
やはり起こるべくして起こった事件だったということです。
今回のまとめ
失敗に関して「失敗学」の本を参考に深掘りしてきましたがいかがでしたでしょうか。
私はたくさん失敗します。
なぜならチャレンジすることが好きだからです。
このブログの読者様であれば「いつの間にかTwitterもYouTubeも始めてる!」と思っていることでしょう。
それでもまだまだ始まったばかりで改善することだらけです。
以前記事であげた「心に残った名言集」記念すべき第一回目でトーマス・エジソンを取り上げています。
失敗はきちんと記録すれば必ず力になってくれます。
私は記録した失敗の中から仮説を立て、成功への道筋を立てます。
それでも上手くいくことは稀でほとんど失敗します。
次に違う道筋から成功を目指します。
その繰り返しです。
意味のある失敗はたくさんして成功を目指しましょう。
世の中は凄いスピードで動いています。
インターネット・スマートフォンの普及で全ての人が世界中と繋がっている状態です。
自分自身も成長しなければ、声をあげたり、抗う力がなければ、
自分自身が望まない方向に動かされてしまいます。
学校や会社では成功する方法を教えてくれますが、
失敗する方法は教えてくれませんでした。
ここまで読んでくださった読者様は失敗の方法を学んだと思います。
是非ご自身でその失敗する力を使ったり、育児教育に生かしていただければ幸いです。
改めまして河本千奈ちゃんに哀悼の意を表しますと共に、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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