グッデイ!ディズニーパパの教育系ブログへようこそ。
皆様、「エッセンシャル思考」をご存知でしょうか。
数年前に話題になった本です。
アフターコロナとなり、コロナ以前の習慣も戻ってきました。
改めて「エッセンシャル思考」が必要だと思い読み返してみたところ、
たくさんの学びがありましたのでピックアップしてご紹介したいと思います。
今回の参考書籍
今回の参考書籍はこちら。
説明不要のベストセラーですね。
まだ読んだことがない、という方は是非読んでみてください。
ビジネスマンのみならず主婦の方なども含め、この世に生きる誰にでも刺さる内容です。

本書の目次
本書を俯瞰する為、目次をさらっと見てみましょう。
PART1 エッセンシャル思考とは何か
PART2 見極める技術
PART3 捨てる技術
PART4 しくみ化の技術
今我々が生きている時代はあらゆるものが溢れている時代です。
「暇だなぁ」と思う感覚はほとんどないのではないでしょうか。
あくせく働き、あまり関心のないグループLINEに返信し、ストレスが溜まったからとYouTubeを観て、気付いたら深夜だ、と。
今日も忙しかったなぁ、と振り返り、同じような日がまた繰り返される。
しかし何も残らない。
どうでしょう。
しっかりと本質を見極めないと、あらゆるものに時間を奪われてしまいます。
ではどうすれば良いのでしょうか。
是非このまま弊ブログを読み進めていただき、もっと知りたいと思ったら直ぐに上記リンクから本書をご購入下さい。
ここでは本書の概略、私の感想・深掘りをメインに進めていきます。
概ね「わかった」気がするかもしれませんが、著者の言いたいことはすべて本にあります。
是非ご購入のうえ、すべてに目を通していただきたいと思います。
エッセンシャル思考とは?
聞き慣れない言葉、「エッセンシャル思考」。
どういう意味なのでしょうか。
エッセンシャル思考は、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるためのものである。そのためには、ものの見方を大きく変えることが必要になる。
ただし、それは簡単なことではない。慣れ親しんだやり方(そしてそれを当たり前と思う人びと)が、つねに私たちを引きずり戻そうとするからだ。本書では順を追って非エッセンシャル思考の嘘を暴き、エッセンシャル思考の真実を伝えていきたいと思う。
エッセンシャル思考になるためには、3つの思い込みを克服しなくてはならない。
「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」
この3つのセリフが、まるで伝説の妖女のように、人を非エッセンシャル思考の罠へと巧みに誘う。うっかり耳を傾けようものなら、不要なものごとの海におぼれることになる。
エッセンシャル思考を身につけるためには、これら3つの嘘を捨て、3つの真実に置き換えなくてはならない。
「やらなくては」ではなく「やると決める」。
「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」。
「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」。
この3つの真実が、私たちを混乱から救い出してくれる。本当に大事なことを見極め、最高のパフォーマンスを発揮することが可能になる。
非エッセンシャル思考の罠から脱け出し、エッセンシャル思考のコアとなる考え方を身につけたとき、エッセンシャル思考のやり方は第二の本能のようにしっくりと体になじむことだろう。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.14-15
「エッセンシャル」とは「本質的」等を意味します。
あなたの人生は誰のためにあるのでしょうか?
普通に生きていたらそんなことなかなか考えないですよね。
しかし本書に出会って、ぴたっと立ち止まり、考えてみてください。
人生を変える大きな転機になるはずですよ。
上記冒頭にある通り、本書は見方を変えるものです。
新しいことをすることではありません。
暗闇でライトを照らすように、いつも照らしていた場所とは違う場所を照らすだけです。
大切なものは既にそこにあるはずです。
著者のエピソード
本質を見失うことの代償は大きい
よく晴れた冬の日だった。私は病院にいる妻のもとを訪れていた。妻ははつらつとしていたが、やはり疲れは隠せなかった。3300グラムの元気な赤ちゃんを産んだばかりなのだ。本当なら、人生のなかでも最高に幸せで満ち足りた時間になるはずだった。ところがそんなときに、私は仕事のことばかり考えていた。クライアントとの会議の時間が迫っていた。同僚からのメールには、こう書いてある。「金曜に出産とは間が悪いね。〇〇さんが会議室で待っているよ」冗談半分なのはわかっていたが、それでも私はプレッシャーを感じずにはいられなかった。
もちろん、今やるべきことはわかっている、はずだった。人生の大仕事をやり終えた妻と、産まれたばかりの娘のために、そばにいてやらなくてはならない。そのとき電話がかかってきて、会議には来られそうか、と訊かれた。私は反射的に、こう答えていた。「はい、行きます」そして妻と子供を病院に残し、会議に出かけたのだった。
そんな私に、同僚はこう言った。「大変なときに来てくれて、クライアントも喜んでいると思うよ」だが、クライアントの顔色は微妙だった。まさに私と同じことを考えていたのだろう。「こんなときに、いったい何をやっているんだ?」私は相手の機嫌を損ねないためだけに「イエス」と言い、それによって家族と自分を傷つけ、肝心な顧客の信頼さえ失おうとしていた。
結局、何ひとつ得るもののない会議だった。仮に何らかの成果があったとしても、妻と子供を置いてまで行く価値があるはずもない。私はみんなの機嫌をとろうとして、もっとも大切なものを犠牲にしたのだ。そのときの経験から、私は大きな教訓を得た。
自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.26-27
いかがですか?
誰にでも思い当たる節はあるのではないでしょうか。
何が大切かわかっている、でも選択できない。
その原因は「信頼を失いたくない」「嫌われたくない」「機嫌を損ねたくない」ということです。
この著者のエピソードでも、著者は何が大切かはっきりわかっていました。
それでも選択出来なかった。
そればかりか、一番恐れていた信頼を失う行為を選択してしまったのです。
著者がここから学んだことは
「自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになってしまう」ということでした。

他人の言いなりになる人生なんて嫌だ!
でも、どうすればいいの?教えて!
そうですね、まずは「他人の言いなりになる人生なんて嫌だ」と気付くことが大切ですね。
そうすることによって対策を取ろうと思います。
対策を取りたいと願う動機付けを得るだけでも十分な収穫です。
もう少しだけ、この動機付けの部分を補強したいと思います。
これは凡人だけではなく、優秀な人も陥りやすい、ということを理解していただきたく、本書のエピソードを引用します。
人の決断、というものに私が強い興味を持ったのも、これ(注:上記出産のエピソード)がきっかけだった。どうして人は、大事な場面で決断を誤ってしまうのだろう。なぜ自分の能力をもっと発揮できないのだろう。自分や周囲の力を最大限引き出すような生き方をするには、どうしたらいいのだろう?この問いに突き動かされるように、私はイギリスのロースクールを辞めてアメリカへ渡り、スタンフォード大学の大学院で研究に身を投じた。(中略)
私はシリコンバレーで戦略とリーダーシップに関するコンサルティング会社を立ち上げた。現在私はこの会社で、非常に優秀な世界的リーダーたちにエッセンシャル思考を指導している。私はこの仕事を通じて、世界中のビジネスマンを見てきた。忙しさに疲れはて、プレッシャーに押しつぶされそうになっている人。大きな成功を手に入れながら、すべてを完璧にこなそうとして苦痛にあえいでいる人。高圧的な上司のもとで、何も断れなくなってしまった人。
どうしてこんなに優秀な人たちが、本質を忘れ、どうでもいいようなものごとに絡めとられてしまうのだろう?私の行き着いた答えは、意外なものだった。(中略)
多くの優秀な人びとが、自分にとって大事なことを見分けられなくなっている。理由のひとつは、断ることを極端に嫌う世の中の風潮だ。何でも引き受けるのがいいことで、断るのは悪いことのように思われている。こうした風潮のせいで、優秀な人は「成功のパラドックス」に陥ることになる。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.28-30
著者のエピソードである、ここまでを整理すると、
著者は妻の出産日に「妻と産まれたばかりの子どものそばにいてやりたい」と思いながらも、「同僚やクライアントからの信頼を失いたくない」という思いから仕事へ出掛けた。
その結果、クライアントからは白い目で見られてしまった。
どうして人は大事な場面で決断を誤ってしまうのか。
著者はこう考え、勤務していた会社を退職しスタンフォード大学へ入学、その後コンサルティング会社を立ち上げ。
ビジネス上では優秀な顧客だが、彼らが悩む姿を見て行きついた答えは、「多くの優秀な人びとが、自分にとって大事なことを見分けられなくなっている」ということだった。
その理由が「成功のパラドックス」に陥っているから。
パラドックスとは「正しそうな前提と、妥当に思える推論から、受け入れがたい結論が得られる事を指す言葉」です。
では、優秀な人が陥る「成功のパラドックス」とは何でしょうか。
優秀な人ほど成功のパラドックスに陥りやすい
第1段階 目標をしっかり見定め、成功へと一直線に進んでいく。
第2段階 成功した結果、「頼れる人」という評判を得る。「あの人に任せておけば大丈夫」と言われ、どんどん多様な仕事を振られるようになる。
第3段階 やることが増えすぎて、時間とエネルギーがどんどん拡散されていく。疲れるばかりですべてが中途半端になる。
第4段階 本当にやるべきことができなくなる。成功したせいで、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまう。
なんとも奇妙な話である。極論すれば、成功を求めることによって、人は失敗してしまうのだ。成功した人は何でもやろうとしすぎて、そもそも何をやっていたかを忘れてしまう。
そういった例はどこにでもある。たとえばジム・コリンズは、著書『ビジョナリーカンパニー3 衰退の5段階』のなかで、成功した企業がいかにして衰退するかを分析した。コリンズによると、失敗の主な理由は企業が「規律なき拡大路線」に陥ったことだと言う。つまり、やたらと多くを求めすぎたのだ。このことは企業だけでなく、そこで働く個人にも当てはまる。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.30-31

確かに優秀であればあるほど仕事が集まってしまうね。
優秀な人が悩む理由は「仕事が出来るから、仕事を振られるあまり全てが中途半端になってしまう。その結果、納得のいく成果があげられない」ということなんだね。
でも優秀なんだったら、優先順位を決めて取り掛かればいいのに。
なんでそれが出来ないんだろう?
皆様も経験があるのではないでしょうか。
私は優秀じゃないんで…という声も聞こえてきそうですが、優秀か否かは一旦置いておいて、
1つや2つの時は出来たのに、3つや4つ、5つとなるともう無理!ということはありませんか?
次から現状の理解と本書の活かし方をみていきましょう。
現状の理解
前項で「規律なき拡大は失敗への道」ということを学びました。
なぜ人は規律なき拡大をしてしまうのか。
具体的事例を挙げて、現状の理解を進めていこうと思います。
【規律なき拡大をしてしまう、具体的な事例】
◆選択肢が多すぎる
私たちはこれまでになく多くの選択肢を持つことになり、その数に圧倒されている。何が大事で何がそうでないかを見分けられなくなっている。心理学で「決断疲れ」と呼ばれる状態だ。選択の機会が増えすぎると、人は正しい決断ができなくなる。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.33
◆他人の意見がうるさすぎる
選択肢が増えただけでなく、他人からの口出しもあらゆる方向からやってくる。つながり過剰や情報過多などとよく言われるが、問題は他人からのプレッシャーが大きすぎることなのかもしれない。インターネットを通じて他人の意見がなだれ込み、私たちにああすべきこうすべきとうるさく指図するのだ。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.34
◆欲ばりの時代
「全部手に入れよう、全部やろう」という考え方は、世の中のすみずみにまで浸透している。テレビのCMはあらゆるものを手に入れろと叫び、会社の求人広告には「何でもできる人求む」という意味のことが書かれている。大学入試でさえ、たくさんの課外活動経験があるほうが高く評価される。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.34
規律なき拡大をしてしまう、具体的な事例をみていきましたがいかがでしたでしょうか。

すべて納得するよ!
現代はあらゆるものが瞬時に繋がり、膨張している時代なんだね。
優秀であればあるほど、多くを掴もうとしてしまう、ということだね。
そうですね。これが現状です。
この現状理解が必要と考え、多くのスペースを割いています。
冒頭で、
あなたの人生は誰のためにあるのでしょうか?
こう問いました。
ここまで読んでくださった方ならおわかりいただけると思いますが、
不出来だから自分の人生をコントロール出来ないのではなく、
選択肢の増加、他人からのプレッシャー、「より多く」の風潮
これらが蔓延している現代だからこそ、優秀であればあるほど、あらゆることに手を出してしまう、
結果、自分の人生をコントロール出来なくなってしまう。
という現状を理解する必要があります。

単に「キャパオーバー」で説明が出来ない部分は、
選択肢の増加、他人からのプレッシャー、「より多く」の風潮ってことだね。
人生をコントロール出来ないのは能力不足だからではなく、環境によるところが大きいってことだね。「自分の能力が低いから」じゃないんだったら何とかなりそうだね。勇気が出たよ!
本書では本項の結びとして次のように記載されています。
「全部手に入れよう、全部やろう」とするうちに、私たちは知らず知らず何かを失っている。自分の時間とエネルギーをどこに注ぐか決められずにいるうちに、誰か(上司、同僚、顧客、家族等々)が私たちのやるべきことを決めてしまう。そうして思考停止に陥り、自分にとって何が大事なのかわからなくなる。
自分で選べない人は、他人の言いなりになるしかないのだ。
オーストラリアのホスピスで看護師をしていたブロニー・ウェアは、死を迎える患者たちが最後に後悔していることを聞き、記録しつづけた。その結果、もっとも多かった答えは「他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気がほしかった」。
自分に正直に生きるというのは、単にわがままになることではない。不要なことを的確に見定め、排除していくことだ。そのためには、無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的なチャンスを切り捨てることも必要になる。やることを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことだけに集中するのだ。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.35

死を迎える患者の言葉、刺さるなぁ。自分に正直に生きるぞ!!
自分で決めて、他人の言いなりにならない人生を歩むのだ!!
でもそのために何をしたらいいの?教えて!
ここまでが現状の理解でした。
後悔しない人生を歩みたい!
自分の人生は自分で決める!
そう思うことこそ、「エッセンシャル思考の考え方」です。
「エッセンシャル思考」を実行していくには、
見極める技術
捨てる技術
しくみ化の技術
これらが必要です。
次の項目から具体的にどうすれば「エッセンシャル思考」を実行できるのか見ていきます。
見極める技術
まず見極める技術に必要なことは5つあります。
導入部分を引用します。
エッセンシャル思考の人は、そうでない人よりも多くの選択肢を検討する。逆説的だが、それが事実だ。
非エッセンシャル思考の人はあらゆる話に反応し、何でもとりあえずやってみる。だから多くのことに手を出すが、すべて中途半端な結果しか得られない。それに対してエッセンシャル思考の人は、何かに手を出す前に、幅広い選択肢を慎重に検討する。そして「これだけは」ということだけを実行する。行動を起こす数は少ないが、やると決めたことについては最高の結果を出す。
ここからのPART2では、数ある選択肢のなかから本質的なものを見極めるための技術を紹介する。非エッセンシャル思考に慣れている人は、そのプロセスを面倒だと感じるかもしれない。だが、見極めることこそが、エッセンシャル思考の真髄だ。
本当に重要なものごとを見極めるために必要なことは5つ。
じっくりと考える余裕、情報を集める時間、遊び心、十分な睡眠、そして何を選ぶかという厳密な基準だ。
非エッセンシャル思考の人は、これら5つをとるに足らないものだと考える。あればいいという程度の贅沢品、あるいは無能の証拠。
「もちろん考える時間があればいいと思うけれど、あいにく仕事が忙しくてね」「この会社に入ったからには、睡眠不足は覚悟してください」「遊び心なんてふざけたことを言ってないで、さっさと働けよ!」
忙しく動きまわることを有能さの証だと思っている人は、考えたり眠ったりする時間をなるべく減らそうとする。しかし本当は、立ち止まる時間こそが、生産性を高めるための特効薬だ。立ち止まる時間は無駄な寄り道ではなく、前に進むための最短コースを教えてくれるのである。エッセンシャル思考の人は、なるべく時間をかけて調査・検討し、意見を交わし、じっくりと考える。そうすることで初めて、本当に重要なものを見極めることが可能になるのだ。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.82-83
ここから見極める技術に必要な5つの章が展開されます。
しかしそれらを全てご紹介するスペースがないため、私自身最も大切にしている「睡眠」について取り上げます。
この章で紹介されている『ジェフ』は36歳のトップビジネスマンで、彼がCEOをつとめる国際的マイクロファイナンス会社は、世界中で1200万人以上の貧しい人びとに融資を行っていました。アーンスト・アンド・ヤング社の「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」や、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選ばれたこともあります。
そんな優秀かつ若きリーダーであるジェフは身を粉にして働いた結果、体調を崩し、ついには自身が立ち上げた会社を去らなければならなくなってしまいました。
ジェフのように休むことを知らず、つねにエネルギッシュに活動している人は、やがて負荷に耐えかねて壊れてしまう。だから、体をでたらめに酷使するのではなく、戦略的に使うことを考えなくてはならない。自分の力をどう配分し、どのように栄養を補給するのか。ただひたすらに突っ走っていたら、すぐに燃料切れして一歩も進めなくなる。
ジェフは療養生活のなかで、自分の生き方をゆっくりと見つめ直した。そして気づいたのは、働きすぎることはあまりにも簡単だという事実だった。活動的で向上心あふれる人にとって、自分を酷使するのは苦痛でも何でもない。本当に難しいのは、働きすぎないように制御することだ。彼は自分と同じようなハードワーカーたちに、こう語りかける。
「自分の能力に自信があるなら、ひとつ大きな難題に挑戦してみてください。目の前のチャンスをきっぱりと断り、昼寝をするんです」
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.122
いかがでしたでしょうか。
経済界から高い評価を受けるトップビジネスマンでも健康を害すれば退場せざるを得なくなる。
最後のコメントが全てですね。
本当に優秀であればきちんと仕事を見極め、それだけに全力を注ぐ。
それ以外は「見極めるために」しっかりと休む。
大切な示唆ですね。
なお、私も睡眠は本当に大事にしています。
睡眠に関する記事も多数書いていますので、お時間の許す際にご覧ください。
捨てる技術
エッセンシャル思考を実践するのに必要な技術。
続いては「捨てる技術」についてです。
古い洋服を捨てるのは、簡単ではない。いざ捨てようとすると「やっぱりもったいない」という気持ちにつきまとわれる。この立派な肩パッド入りジャケット、いつか必要になったらどうしよう?不安に感じるのも無理はない。心理学の研究によると、人は自分が所有しているものを実際より高く評価しがちである。手もとにあるという理由だけで、捨てられない気持ちになるのだ。古めかしい肩パッド入りジャケットと決別するためには、こう考えてみるといい。「これをまだ持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」買うと言いきれないなら、それは必要ではない。
仕事でも生活でも同じだ。「もしもこの話が来ていなかったら、自分から積極的にチャンスを求めに行くだろうか?」もちろん、洋服を捨てるほど簡単な話ではない。だが、転がり込んできたチャンスにノーと言うことができなければ、ただ成り行きに流されるだけで終わってしまう。考えるべきは「どれを引き受けようか?」ではない。「何にノーと言うか?」である。
捨てるべきものを問うとき、自分の優先事項がはっきりと見えてくる。自分の本当の使命が明らかになり、個人だけでなく組織全体のために最高の仕事ができるようになる。仕事や人生の決定打となるブレイクスルーは、不要なものを切り捨てることから始まるのだ。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.148-149
この「捨てる技術」は、
目標
拒否
キャンセル
編集
線引き
この5章から成り立っています。
スペースの関係上、ここでは目標のみを取り上げます。
本質目標は、仕事や会社だけのものではない。正しく使えば、人生に意味を与え、正しい方向へ導いてくれる。
ネルソン・マンデラは27年間の獄中生活を通じて、人生の本質を見つめつづけた人物だ。1962年に投獄されたとき、彼はすべてを奪われた。家も評判も自尊心も、そしてもちろん自由も。それからというもの、彼は本質だけを見つめ、その他のあらゆるものを切り捨てた。自分の怒りや恨みさえも忘れた。彼が選んだ本質目標は、南アフリカにおけるアパルトヘイトの撤廃だった。マンデラの人生は、私たちの世界に大きな遺産を残してくれた。
人生の本質目標を決めるのは、容易ではない。勇気と洞察力を持ち、自分の力を最高に発揮できる行動を見定めなくてはならない。そのためには、タフな問いに答えることが必要だ。トレードオフを直視し、本質から外れたものごとを断固として切り捨てなくてはならない。厳しいが、やるだけの価値はある。本当に明確な目標だけが、自分や組織の力を最大限に引き出し、真にすぐれた成果を可能にしてくれるのだから。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.161
本質目標を立て、それ以外を「捨てる」ということですね。
本当に必要なチャンスに手を出す、ということはそれがはっきりわかっていないといけない。
自分自身の人生において、しっかり目標を立てることが「捨てる」技術の第一歩になります。
しくみ化の技術
エッセンシャル思考を実践するのに必要な技術。
最後は「しくみ化の技術」についてです。
何かをやりとげるには、2種類のアプローチがある。非エッセンシャル思考の人は、努力と根性でやりとげようとする。だがエッセンシャル思考の人は、なるべく努力や根性がいらないように、自動的にうまくいくしくみをつくる。
第1章でクローゼットのたとえ話をしたが、クローゼットをつねにきれいに保っておくためには、しくみ化が不可欠だ。たとえば、不要品を入れる大きな袋と、必要なものを入れる小さなスペースを用意する。ゴミの回収日やリサイクルショップの場所を把握する。定期的に服を処分しに行く日を決めておく。
つまり、いったんやるべきことを決めたら、それを無意識に実行できるようにしておくのだ。クローゼットがあふれ返るまで放置してから苦労して片づけるのでは、すぐにいやになる。そうではなく、きれいになるしくみを日々の行動に組み込んで、散らかることを未然に防いだほうがいい。人はラクをしようとする生き物だ。だから、何の苦労もなくスムーズに正しい行動ができるようにしておこう。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.216-217
この「しくみ化の技術」は、
バッファ
削減
前進
習慣
集中
未来
この6章から成り立っています。
スペースの関係上、ここでは習慣のみを取り上げます。
この章は私も実践しています。
とても伝わりやすく言語化されているので、是非ご紹介したい章です。
正しい習慣がクリエイティビティを生む
習慣は妨害に打ち克つための最強の武器だ。習慣がなければ、数知れぬ誘惑に勝つことは難しい。だが本質的な目標に向かう行動を習慣づけてしまえば、無意識のうちに目標を達成できる。いちいち難しい判断をする必要はないし、誘惑から目をそむけるためにエネルギーを使う必要もない。習慣をつくる段階で少しだけ努力すれば、あとは勝手にうまくいく。習慣の力については、数々の科学的研究もおこなわれている。習慣のしくみを簡単に説明すると、同じことを複数回実行することによって、ニューロン(神経細胞)同士のあいだに新しい結びつき(シナプス)が生まれる。何度も反復することで結びつきは強化され、情報の伝達がスムーズになる。たとえば新しい単語を覚えるときには、適度な間隔をあけて何度か復習すると効果的だ。繰り返すことで神経細胞の結びつきが強まり、スムーズに思い出せるようになる。毎日同じ道を通って通勤していればぼんやりしていてもたどり着けるようになるし、同じ料理を何度もつくっていれば手順を意識しなくても料理ができあがる。どんなことも、繰り返し実行すればどんどん簡単になっていく。繰り返すことで習慣が確立され、行動が脳に刷り込まれるからだ。エッセンシャル思考も同じだ。練習を重ねれば、どんどん簡単になっていく。
初めて重要な仕事を任されたときのことを思い出してみよう。最初は右も左もわからず、おどおどするばかりだ。判断すべきことが多すぎて、うまく頭がまわらない。仕事に集中しようと焦り、疲れきってしまう。誰だってそうだ。だが繰り返すうちに、だんだん自信がついてくる。それほど努力をしなくても自然にうまくいくようになり、効率も上がる。脳がその行動をすっかり覚えたおかげで、いちいち考えなくてもできるようになったのだ。
習慣には、もうひとつ有利な点がある。いったん脳に回路がつくられると、それまで思考や判断に使っていた領域が別のことに使えるようになるのだ。だから重要な仕事を無意識のうちにこなしながら、同時に別の作業をすることも可能になる。『習慣の力』の著者チャールズ・デュヒッグは次のように説明する。「脳の活動はどんどん少なくなり、ほぼ停止しているような状態になります。…これは実に都合がいい。なぜなら脳の活動をそっくり別のことに使えるからです」
習慣と聞くと、退屈なイメージを持つ人もいるだろう。創造性やイノベーションの対極にあると思えるかもしれない。実際、間違ったやり方をすると、習慣は実に退屈なものになる。だが正しく使えば、習慣は創造性やイノベーションを実現するためのエネルギーを与えてくれる。その場その場で似たような判断にエネルギーを費やすよりも、自動化できるところは自動化し、もっと有益なことに脳を使ったほうがいい。「フロー体験」の研究で知られるミハイ・チクセントミハイは、きわめてクリエイティブな人びとが、実は厳格な習慣に従って行動していることを明らかにした。「創造的な人は、自分に合った生活リズムを早い時期に見つけます」とミハイは説明する。「睡眠、食事、仕事のリズムを守り、それを乱すような誘惑に負けません。心地良い服を身に着け、気の合う仲間とだけつきあい、よけいな行動には手を出しません。もちろん、そうしたやり方はまわりの人間に好まれないでしょう。ですが、自分の行動パターンを遵守すれば、よけいなものごとに注意を奪われずにすみます。本当に重要なことに全力で集中できるのです」
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする p.257-260
自動的に重要な成果をいくつも刈り取れるとしたらどうですか?
それは素晴らしいことですよね。
この習慣の章ではそれに触れています。
最初は大変。
でも習慣にして自動化してしまえば、それで成果を得ることが出来る。
それだけではなく、その部分を別の領域(創造)に使える。
これを繰り返す。
そうすれば自動的に重要な成果をいくつも刈り取れる。
習慣の良いところは、
自動化をして確実に成果を出せること
新しいことにチャレンジする余白を創り出せること
この2つです。
どんな些細なことでもOKです。
習慣化して自由な時間を少しでも捻出出来たら良いですね。
今回のまとめ
時間は誰しも平等です。
1日24時間で、睡眠時間を8時間取るとしたら残りは16時間。
この16時間をどう生きるか。
「非エッセンシャル思考」で「他人時間」を生きる人、
「エッセンシャル思考」で「自分時間」を生きる人、
圧倒的な差が出るのは明らかです。
優秀な人でも、あれもこれも出来ないことは見てきた通りです。
私の好きな言葉が「孫氏の兵法」にあります。
我は専らにして一となり、敵は分かれて十とならば、これ十をもってその一を攻むるなり
孫氏の兵法 第6章 虚実篇
同じ戦力で、相手が10に分かれるのであれば、こちらは1に集中させ攻めるということです。
相手の力を分散させることによって10倍の戦力で攻めることが出来る、ということを示しています。
これは「各個撃破」の原理と言いますが、私も常に頭に置いている戦略です。
たくさんのタスクがある場合、出来るだけタスクを分散して、その細かくなったタスクに全戦力を総動員し終わらせる。
次にこのタスク、次にこのタスクと次々に各個撃破。
また同じタスクが現れた場合、勝ち筋はわかっているので習慣で自動化。
確実に勝利を積み上げ、今度はこちらからタスクを探しに行く(攻めに転じる/挑戦)。
私は決して優秀ではありませんが、
「エッセンシャル思考」
「各個撃破」
これらを用いることによって満足出来る人生を送っています。
改めて冒頭の問いを用います。
あなたの人生は誰のためにあるのでしょうか?
迷ったら是非本書を開いてみてくださいね。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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